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短編小説「ポイズン」

彼は悩んでいた。

彼は、ヒーリングを発明した、古代の魔法使いを尊敬していた。
その作り方は秘されていて、巷のうわさでは、ヒーラーの幼生を数日間漬け込むという話も耳にしたが、真偽は定かではない。

彼は、ヒーリングのような、戦場で癒しを与えるような魔法を作りたかった。
整えられたレールを走れば、発明する時間もなく、日々、呪文工場で既存の魔法を作るだけの魔法使いとなってしまうため、彼は魔法学校を途中で辞めた。

来る日も来る日も、独学で勉強をしていた。

そして、ある日。
偶然にもダークエリクサーという貴重な資源を元に、強大な魔法を発明してしまった。

その名は、ポイズン。

闇の呪文は彼に賞賛を与え、闇の呪文工場は、彼に膨大な富をもたらした。

もうその呪文がないと戦えぬ、と、戦士たちは口々に言う。

彼は、有頂天であった。
癒しとなる魔法を作りたい、という目的は、頭の中から消え去っていた。

しかし、戦場で、ポイズンの魔法が投下された瞬間を目の当たりにしたとき。

苦しみ、のたうち回りながら元のエリクサーと化していく戦士たちに、頭を殴られるほどのショックと嫌悪感が、彼を襲った。

「こんな光景が見たくて作ったわけじゃあ、無い」

しかし、人々は「もっと」という

そのうち、ポイズンの魔法から逃れる術が発見されるが、毒の霧に包まれたまま夢中で攻撃してると、いつのまにやら命は消え、地に戻ってしまう戦士たち。

敵とはいえ、同じエリクサーが体に流れる、同胞じゃないか!

彼は、自責の念からか、たった数カ月で頭髪が少なくなり、黒々としていたご自慢の髭も、変色してしまった。
片手には、常に分厚い本を持ち、救いの魔法を模索していたが、これはまた、別の物語。


戦いは終わらぬ。

今日も、全てが無となった村から、ささやくような鎮魂歌が聞こえる。



※私のお戯れ短編小説です。どうぞご容赦を。
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