記事一覧

短編小説3 「レイジ~怖がり屋のウォールブレイカー~」

僕は、ウォールブレイカー。戦士たちが戦いやすいように壁を壊すのが、たった一つのお仕事さ。そして、壁を壊した瞬間、僕はこの世からいなくなる。皆、平気だろって言う。だって、骸骨だから。痛くもかゆくもないだろ?肉がついてないんだから。死んでみないと痛いか、かゆいか、わかんないけれど、他のウォールブレイカーたちは喜んで、壁にぶつかっていく。ドカン、と小気味よい音を立てて、壁に穴をあけては、戦士たちの道を作...

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短編小説2「ヒーリング」

あたしは、薄黄色を通してぼんやり景色を見ていた。たぶん、ここはどこかの小屋の中。でも、窓もあって、あたしはそれで、朝が来て、夜が来て、また朝が来て夜が来たことを知っている。いつもは、外に出るとき、母さんと一緒に出る。母さんは、あたしを「可愛い子」と呼ぶ。あたしは、小さいから、一人で外へ出てはだめよ、と母さんは言っていた。でもね。こないだ見つけちゃったの。母さんと同じ、薄紅色をした小さなお花。一人で...

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短編小説「ポイズン」

彼は悩んでいた。彼は、ヒーリングを発明した、古代の魔法使いを尊敬していた。その作り方は秘されていて、巷のうわさでは、ヒーラーの幼生を数日間漬け込むという話も耳にしたが、真偽は定かではない。彼は、ヒーリングのような、戦場で癒しを与えるような魔法を作りたかった。整えられたレールを走れば、発明する時間もなく、日々、呪文工場で既存の魔法を作るだけの魔法使いとなってしまうため、彼は魔法学校を途中で辞めた。来...

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